2010年 05月 17日
博龍軒@馬出
結局はここら辺のラーメン屋に流れ着き、カウンターに座り出てくるどんぶりに右斜め45度から割り箸を突っ込めば心が穏やかになって行くのは、僕がここら辺の人間だからでありまして・・。博多の老舗“博龍軒”、赤のれんとともに博龍軒が麺を担当し、赤のれんがスープを担当して60年前から博多ラーメンを・・というくだりの話は長くなるので興味のある方はググってみてください。ゴールデンウィーク前の昼下がり、完全に昼時は外しているのだが先客4名の店内はやや賑やかだった。
博龍軒@馬出
麺の硬さは指定せずにワンタンメン(800円)を頂く。
ワンタンメン 800円
グッと豚骨が出ているスープ、この日は当たりだった。特に硬さ指定していない麺はかなり柔らかめにあげられる。テロテロピロピロの平打ち麺を切らない様にゆっくりと引きずりだして啜る。ワンタンとネギとチャーシューの配置の妙か?スープ、麺、具材が混然一体となって流れ込んでくる。今日はシミジミ旨いなぁ・・。
毎日いろんなラーメンを食べてみて心はいろんな場所を駆け巡るのだが、なんだかんだいってやっぱりここら辺に落ち着いてしまう。巡り巡って我が出発点に戻ってくるのは一抹の寂しさも覚えるが、そんな感傷に浸っていても、明日がくればやっぱりどこかのカウンターで啜るわけでして・・。若山牧水の幾山河が頭に浮かぶ
幾山河 越えさり行かば 寂しさの終てなむ国ぞ 今日も旅ゆく
遥か遠くまで何処までも旅をしてゆく人生にあこがれる、しかし生活を放棄すれば人生そのものも投げ捨ててしまうことだから、そんな旅をしてゆく人生なんていうものは夢でしかない。僅かなときだけ現実から逃避しても日常は続いていくと、わかった時に自分の夢は成就できないと自覚する、自覚すると言いようの無い寂しさが募る。心を揺さぶられる物との出会いや発見を期待して旅にでてみるが、現実はどこまでいっても何も満たされない。牧水が感じた青春時代の感傷のようなものをラーメンを食べると感じる時があるとです。
ごちそうさまでした。
週末の事。
那覇でぽっかり空いた1日を使って石垣へ飛ぶ。石垣から西表島へ渡った。カヤックをつかってマングローブの川を8.5キロ遡上するのだ。前日降った雨が土を流し仲間川は茶色に濁っていた。仲間川は海の干満の影響を受けやすい、この日は大潮だった。大潮の満潮時を利用して、かなり細い支流へとカヤックを進める。悠々と流れる仲間川も支流奥へと入って行くと3M程の川幅となりヤエヤマヒルギの根を避けながら慎重にカヤックを漕いでゆく。滞留しているのではないか?と思えるほど穏やかな水の上に浮かび、木々が風を遮ると強烈な静けさが襲ってきた、燦々と降り注ぐ日差しも木々の葉が遮り、その木漏れ日が水の上に落ちる。パドルでゆっくりと叩く水の音だけが響く。この神聖な雰囲気はなんだ?
途中でカヤックを降りてトレッキング、高台から今遡上してきた仲間川を望む。蛇行しながら海へと注ぐ川と、手つかずの自然を見ながら、コンロで八重山そばを作って食べた。八重山そばは旨かったが言いようの無い寂しさが襲ってきた。
下りの川は潮がスッカリ引き、表情を変えていた。行きと帰りでこれ程変わる川も珍しい。狭い所では川幅は半分以下になり巨大な干潟が姿を現していた。今がチャンスとばかりにミナミコメツキガニが干潟でせっせと食事をする様子がみえる。こうして約半日の川遊びを終え、バタバタと那覇へ戻った。
by cafeh | 2010-05-17 10:17 | 福岡市 東区